トップページ > 骨粗鬆症の治療方法

骨粗鬆症の治療方法

将来の寝たきりの原因に!骨粗鬆症

骨折は、日常生活に支障が出たり、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=人生の内容の質や社会的にみた生活の質)を低下させます。
また、要介護になったり寝たきりになったりする原因にもなります。骨粗鬆症治療の最大の目的は、骨折を予防することにあります。

骨粗鬆症は、どうやって診断するの?

骨粗鬆症の診断は、問診、身体検査、骨の状態を確認する検査(骨密度検査やX線検査など)、血液・尿検査など、さまざまな結果を総合的にみて判断します。 とくに椎体骨折の症状などがみられる場合は、骨粗鬆症を疑い、積極的に受診することが必要です。

食事療法、運動療法、薬物療法で治療できる!

骨粗鬆症の治療には、食事療法、運動療法、薬物療法があります。
食事療法では、骨を強くするために、栄養バランスの良い食事を心がけます。
運動療法では、骨密度を増加させたり筋力を増加させることが期待できます。
薬物療法には、骨折リスクを低下させるさまざまな薬があります。
これらの治療をできるだけ早く始め、しっかりと継続することが、将来の骨折・寝たきりを防ぐために大切なポイントとなります。

1.食事療法

さまざまな栄養素をバランス良くとります。
とくに、骨の強化に欠かせないカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどは、積極的にとりましょう!

積極的にとった方が良い食品
  • カルシウムを多く含む食品 (牛乳・乳製品、小魚、緑黄色野菜、大豆・大豆製品)
  • ビタミンDを多く含む食品 (魚類、きのこ類)
  • ビタミンKを多く含む食品 (納豆、緑色野菜)
  • 野菜と果物
  • 蛋白質 (肉、魚、卵、豆、穀類など)
過剰摂取を避けた方が良い食品
  • リンを多く含む食品 (加工食品、一部の清涼飲料水)
  • 食塩
  • カフェインを多く含む食品 (コーヒー、紅茶)
  • アルコール

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会 : 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン
2011年版 ライフサイエンス出版 : 64, 2011 [L20111222114]より改変

2.運動療法

骨密度は運動することで増加します。筋力をつければ転倒予防にもつながります。
寝たきり予防には、開眼片足立ちとスクワットが「ロコトレ」として推奨されています。

※ 運動器の障害によって介護・介助が必要な状態、もしくはそうなるリスクが高い状態を「ロコモティブシンドローム」といい、その予防・治療のトレーニングを「ロコモーショント  レーニング(ロコトレ)」という。

開眼片足立ち

つかまるものがある場所で、床につかない程度に片足を上げる。目安は左右各1分間1日3回。

スクワット

1回の動作を10~12秒かけて行い、コレを5~10回×3セット/日を目標とする。

日本整形外科学会 : ロコモティブシンドローム診療ガイド : 94, 2010 [L20120921001]より作図

3.薬物療法

骨粗鬆症の薬には、大きく分けて骨吸収を抑制する薬と骨形成を促進する薬があります。あなたに合わせて決められた量の薬を飲まないと、骨折防止効果がありません。
また、薬を飲むのを途中で止めてしまうと、薬で強くなっていた骨が再びもろくなって骨折しやすくなるので、医師・薬剤師の指導に従い、薬は飲み続けることが大切です。

主な骨粗鬆症治療薬
主な骨粗鬆症治療薬主な骨粗鬆症治療薬

※ アポトーシス:細胞が死ぬこと

※ その他、骨呼吸を抑制する薬として、女性ホルモン製剤、カルシトニン薬があり、骨の代謝バランスを整える薬として、カルシウム製剤、ビタミンK2製剤などがある。

監修: 国際医療福祉大学 臨床医学研究センター 教授/山王メディカルセンター・女性医療センター長 太田 博明 先生

こんな症状も気になっていませんか?

症状の悪化を食い止めるには、早い段階でお医者さんに話をするのが一番です。
自分のため、家族のため、ご自身の健康をしっかり考えてみませんか。